2017年9月30日土曜日

心原性失神をまずは鑑別!

最近1-2カ月の間に診察させていただいた患者さんで、お二人ほど心臓が原因となっている失神(心原性失神)の患者さんがおられました。どちらの方もてんかんとすでに診断を受けておられ、抗てんかん薬も服用されていました。どちらの方もてんかんと診断されてから様々な心理的葛藤を生じる出来事がたくさんありましたが、特に片方の方(中学生)は抗てんかん薬による副作用で精神的にもとても不安定になり大変だったようです。この方の元々のご相談は「てんかんがあるのだが、抗てんかん薬の副作用が目立って大変」というものだったのですが、診断そのものが違っていてはスタートからうまくいかないのも当然と言えます。

心原性失神は発作そのものが生命の危機が生じうる緊急事態であり、この点がてんかんとは全く異なります。てんかんは発作そのもので命を落とすことは事故やよほどのことがない限りありません。こうした点から、「意識をなくして倒れた」「倒れてけいれんがあった」方でまず考えるべきは心原性失神です。これがないことを確認してから改めててんかんについて考えてもまったく遅くはありません。



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