2015年7月26日日曜日

第11回日本てんかん学会近畿地方会 てんかん患者さんの就労について

今日も暑かったですね・・・と言いたいところですが、ほぼ1日てんかん学会の近畿地方会に参加させて頂いていましたので、ほとんど暑さは感じませんでした。

学会ですので様々な演題や特別講演などがあり興味深く拝聴・質問させて頂きましたが、なかでも興味深かったのは、患者さんと、その勤務先の職場に関するアンケート調査についてのご発表でした。

同僚である患者さんにてんかんがあることをご存じの職場の方に対するアンケートですので、ある程度患者さんのてんかんに関心がある方が対象です。職場の方のアンケートに対する回答は「患者さんのてんかんのことをよく分かっている」「ある程度分かっている」までで100%を占めていたのに対し、患者さんの側では「よく分かってもらっていない」「ほとんどわかってもらっていない」がかなりの割合を占めました。また分かってもらえていないことをかなり不安に思っておられるようでした。

お互いのこの認識の違いはどこから来るものなのでしょうか?アンケートの対象となった職場は、患者さんのてんかんに関心がある方が多いだろうと想像できます。にもかかわらずこのようなギャップがあるとなると、職場の方にてんかんがあることを伝えずに仕事をしておられる方の不安はとても大きい、ということが容易に想像できます。

また「わかってもらえないだろうな」という思いが、てんかんを職場に申告しない、という決断につながるのでしょうね。

てんかんを申告しても誤解されない、不利益にならない職場環境があり、発作がなければ、あるいはあっても適切に対処するだけで問題ない、といったことが理解される社会になってほしいと思いながらご発表を聞いていました。

2015年7月8日水曜日

キャシディー・メーガンさんの来日

タイトルを見て、「だれ?」と思われる方がほとんどだと思いますが、現在、国際的にてんかん啓発デーとして認知されつつある、Purple day(3月26日)の創始者が、自らも患者さんのお一人であるキャシディーさんです。9歳の女の子が始めた運動が、世界的なムーブメントになっていったことは本当に素晴らしいと思います。

Purple day http://www.purpleday.org/

現在来日されており、日本各地でPurple dayについてのイベントを行っておられます。以下はインターネットの医療ニュースサイトからの抜粋です。

静岡てんかん・神経医療センターは7日、啓発キャンペーン「七夕フェス静岡」(静岡新聞社・静岡放送後援)を静岡市駿河区のグランシップで開いた。てんかんへの関心を高め、理解を訴える「パープルデー」(3月26日)の創始者で、患者でもあるカナダ在住のキャシディー・メーガンさん(16)らが講演した。
 幼い頃からてんかんがあり、周囲の偏見や誤解に悩んでいたメーガンさんは、9歳だった2008年に地元のてんかん協会の協力を得て「パープルデー」を制定した。ラベンダーの紫が啓発活動の国際的イメージカラーだったことに由来する。米国の支援団体も理解を示し、今では120カ国以上で活動が行われている。
 現在も年に数回、ひどい発作があるというメーガンさんは「活動がさらに広がっててんかんへの理解者が増えれば患者の孤独感を取り除ける」とした上で、患者に対しては「あなたは決して一人じゃない。あきらめないで」と勇気付けた。(2015年7月8日m3.com 医療ニュース)