2016年11月29日火曜日

当院かいわい:パインアメ

当院周辺は住所の生玉寺町が示すようにお寺の多いところで、当院かいわいでご紹介するのも寺社が多いのですが、今日は皆さんご存じ(ご存じですよね??)「パインアメ」のパイン株式会社です。本社が実は当院の近くにあるんです。

私などは子供の頃、飴の穴から息を吹いて遊んでいたことなどを思い出すのですが、今の子供さんはあまり知らないのかもしれませんね。

当院から谷町筋を北へ3分ほど歩いたところにあります。表玄関から中をのぞくと、おなじみの飴などのお菓子が並べられています。会社のHPをみると、昭和26年~販売されているとか、最初は穴は開いていなかったとか色々な情報が載っていておもしろかったです。皆さんもよければごらんになってはいかがでしょうか?

パイン(株)
http://www.pine.co.jp/



2016年11月18日金曜日

てんかん外来(新患)の現状:2015年7月~2016年6月

最近の発表のなかで、当院の新患外来のデータを少しまとめてご紹介する機会がありましたので、こちらにも掲載させていただきます。
以前にも同様のまとめ(2014年4月~2015年9月)をしたことがありますので、興味をお持ちの方はそちらもご参照ください。
http://koidenaikashinkeika.blogspot.jp/2015/09/blog-post_14.html

2016年7月~2016年6月の一年間に当院てんかん外来を新たに受診された患者さんは186名(男性110名、女性76名)でした。年齢層は20代の方が60名と最も多く、次いで10代、30代となっていましたが、5歳~79歳と幅広い年齢の方が受診されていました。

居住地はより大阪の方が以前より増え、大阪市内(91名)、市外大阪府(75名)が9割弱を占めました。大阪府外では兵庫(10名)、奈良(7名)、京都(2名)、大分(1名)の順になっていました。

診断は137名がてんかん(症候性部分てんかん(あるいはその疑い、以下同)102名、特発性全般てんかん19名、特発性部分てんかん4名、症候性全般てんかん4名、未決定てんかん1名、進行性ミオクローヌスてんかん1名、分類不能のてんかん6名)であり、てんかんの疑い8名を含めると145名(78%)がてんかんに関連する方と考えられました。

一方で、残りの41名(22%)はてんかんの治療や診断を希望されてこられた方が大半ですが、失神(あるいはその疑い、以下同)13名、心因性非てんかん発作11名、(癲癇とは診断しえない)初発のけいれんエピソード3名、発作性運動誘発性ジスキネジア2名となっていました。当初からてんかんか非てんかんかの鑑別を希望されてこられた方もいますが、やはりてんかんとしてすでに治療が行われていたような方も含まれています。色々なところでお話をしていますが、現時点でてんかんの診断に一番役立つのは(十分な知識を持った医師が行う)問診です。脳波検査にはてんかんがあっても異常がないことはよくありますし、MRIなどはてんかんそのものの診断には基本的には寄与しません。症状がてんかん発作で間違いなければ、検査に異常がなくてもてんかんだと自信を持ってきちんと診断ができる、というのが一番重要なことなのです。当院でてんかんではなかった、と診断した方の少なくない割合の方々は、この問診が圧倒的に不足していると考えられました。不十分な問診に、不十分な脳波の判読経験が加わると、誤った診断が下されることはよくあることなのですね。

もちろん私も診断を誤ったことはたくさんあります。「てんかんではない」と診断した方がてんかん発作を持っていたり、てんかんだと思っていた方の発作がずっと見ている間に「あれ?」と思うことが出てきたりといった経験は沢山あります。逆に言えばそういう経験をたくさんしてきたので、診断を保留すべき場合は保留し、患者さんと相談して経過をみながら判断をする、といった方法を選択できるようにもなりました。

これが単に「てんかんかもしれない」「てんかんが否定できない」というだけであれば患者さんは不安の中で日々を過ごすことになりますが、診断を確実に下すメリットや、不確実な診断のデメリットについてきちんと説明し、経過の観察の方法や起こりうる症状への対処法などをきちんと説明しておくことが重要です。それによって患者さんやご家族は診断を下すためのチームに入っていただけます。こうした経験を一緒にすることで、その後てんかんと診断した場合も患者さんやご家族が主体的に治療に取り組むことができるようになっている気がします。

現在は平日午後に問診を1時間程度できる枠を設け、その後脳波をとらせて頂き、検査後に治療方針などを説明する時間を30分ぐらいとっています(土曜日は混雑しており、問診に時間がかけられないため新患枠を作っておりません。申し訳ありません)最初が肝心なので、この診療枠設定はしばらくは変更する予定はありません。再診の方には混雑でご迷惑をおかけすることもありますが、初診の方に時間をとるためもあり、何卒ご理解をよろしくお願い申し上げます。



2016年11月14日月曜日

兵庫県てんかん県民講座で感じたこと

先日も告知させて頂いたとおり、てんかん協会兵庫県支部主催のてんかん県民講座が行われました。

今回の講演ではてんかんとは何か、というお話をしたあとで、てんかんがどう生活や人生に影響しうるのかを考えました。その後、患者さんやご家族のインターネット上に投げかけられている様々な悩みをとりあげ、それに対してどう応えるか、というお話をさせていただきました。

今回の聴衆の参加者にはてんかんの当事者やご家族だけでなく、学校の先生がたくさんおみえになっていたことが印象的でした。それぞれが担当する生徒さんにてんかんがあって、どう対応すべきなのか、また現在の学校の対応が正しいのかどうか、という悩みをお持ちでした。

これまでの講演は医療関係者か当事者、ご家族に対してのものが多く、今回学校の先生からの多数のご質問にお答えしたのは良い経験でした。静岡てんかん・神経医療センターでは学校や福祉関係者などてんかん患者さんにかかわる専門職に向けたセミナーを定期的に行っておられますが、近畿圏でも同様の試みを考える必要があるように思われました。今後検討していきたいと思います。

2016年11月1日火曜日

兵庫県てんかん県民講座

日中はまだまだ暖かい日も多いですが、朝晩はひんやりした日が増えてきましたね。当院でインフルエンザの予防接種を受ける方も徐々に増えてきました。冬が徐々に近づいてきているのを感じます。

2016年11月13日(日)、神戸市勤労会館におきまして、日本てんかん協会兵庫県支部のお招きにより、てんかん県民講座でお話をさせていただくことになりました。

「年代ごとに変わりゆくてんかん患者さんの悩みにどう対応するか」というタイトルですが、このお題は主催される当事者の方からいただきました。てんかんは小児期に発症することも多く、かつ生涯にわたって治療を必要とする方もおられます。この間に患者さんご本人や親御さんは就学・就労・自動車免許の取得・結婚・妊娠/出産といった様々なライフイベントをそれぞれの立場で経験することになります。患者さんが年齢を重ねるにつれ、それぞれをとりまく状況は変化していき、抱える悩みも変わっていきます。我々はそれに対してどう応えていくのか・・・とても重要なテーマだと思います。

皆様になにがしか得るものがあったと感じて頂けるようなお話を考えたいと思っています(まだ準備は進んでおりませんが・・・・)せっかくですのでたくさんの方にご参加いただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。