2014年12月27日土曜日

今年も終わりですね

小出内科神経科の2014年の診療は本日午前中までとなっております。2015年は1月5日より通常どおりの診療となりますので、よろしくお願い申し上げます。それでは皆様、良いお年をお迎えください。

2014年12月17日水曜日

薬は余裕を持って保管しましょう

北海道を含め、全国で大雪となっており、公共交通機関に影響がでているところもあります。当院は大阪市の中心部にありますので、今のところ来院できない、といったことはお伺いしておりませんが、全国的には病気をお持ちの方の通院に支障が出ていなければよいがと思っています。

抗てんかん薬を含む向精神薬は、突然薬が中断されるといったことがあると、病状が突然悪化することがあります。2011年の東日本大震災ではお薬を流されるなどの被害に遭われた患者さんたちが、非常につらい経験をされたことを思いだします。

天災はいつやってくるかわかりません。薬は少し余分を持っておくことをお勧めします。てんかんであれば、病状が安定していて薬があまり変更されないようであれば、2週間程度は受診の時にも残っているように備蓄しておくことをお勧めします。家に薬を置いておく際には、万が一地震などで物が倒れたり崩れたりしても大丈夫なように、取り出しやすいところに分散させて置いておくとよいと思います。担当の先生と相談しておきましょう。

2014年12月4日木曜日

メディカル朝日に書評が掲載されました

今月号のメディカル朝日に「てんかんが苦手な医師のための問診・治療ガイドブック」の書評が掲載されています。

2014年11月29日土曜日

金縛り=睡眠麻痺

以前からときどき、てんかんの相談にいらっしゃる方の中に、「ぐっすり寝ているときに目が醒めたら、体が動かなくて苦しくてもがいているうちに動くようになって、すごく怖かったんです」といったお話をされる方がいらっしゃいます。詳しくお話をお伺いすると、てんかんではなく、いわゆる金縛り、という状態のように思われる方々です。医学的には睡眠麻痺といいます。

もちろん、睡眠中に限って起こるてんかん発作も珍しいものではありません。そのため中には金縛りかてんかん発作か、お話を聞いていても区別が難しく、発作時ビデオ脳波同時記録検査などによってはじめて区別ができるような方もおられますが、多くの場合は特徴の違いから区別することができます。もちろん睡眠麻痺の場合は脳波検査をしても異常はありません。

金縛りは自覚できる症状のため、怖い思いをされている方が心配になって相談されることもよくわかります。通常の、頻度が少ない金縛り状態が寝ている時にだけ起こる、ということであれば、あまり心配されることはありませんが、頻度が多い(たとえば週数回ぐらい)であるとか、意識が曇るといったことがあるようなら、一度は医師にご相談ください。

2014年11月19日水曜日

紅葉

谷町筋を挟んでお向かいの吉祥寺の紅葉がとても美しいです。どうぞ受診の際にご覧ください。

2014年11月10日月曜日

てんかんを診断するということ

先日から、「てんかんなんですけど、診てもらえますか?」という予約の電話をいただき、いらっしゃった方の中に、「ん?」と思う方に何人かお会いしました。

よくお話を聞いてみると、「血をみて倒れてけいれんして、脳波をとったらてんかんだと言われた」とかいう、先日のブログでもご紹介した失神が明らかに疑わしい方もいらっしゃったのですが、そもそも「なんでてんかんなんでしょうね?」と、ご自分がなぜてんかんだと診断されたのか、そのこと自体を全く説明されていない方もおられました。この方は「脳波が悪かったからですかね?」と、逆にこちらに質問されて、ちょっと困ってしまいました。実際には脳波にも異常が何もないので(異常があると言われた脳波を持ってきてもらっても見つからないのです)、なぜそういう話になったのか全く分からない、ということが現実的にあるわけですね。

私はてんかんを診断することは、てんかんだと診断しないことよりもずっと勇気がいることだと思います。てんかんだと診断されれば、運転免許など社会的制約もありますし、現実的には厳しい偏見の目もあります。またてんかんだと診断されることで患者さん(というのが本来ふさわしくないのですが)は精神的にも大きな負担となります。「あなたはてんかんです」と言うのは重大な告知ですが、これは専門医であるほどそうではないかと思います。その言葉を告げることによってこれから考えなければならないことが沢山あることを知っているからです。

しかし現実には、「てんかんかもしれない」という言葉は非常に軽く発せられているように思います。「てんかんかもしれない」「てんかんが否定できない」といったあいまいな判断から、「念のために」治療が開始され、「てんかんだったら」危ないので運転免許も止めておいたほうがいいとか、薬を服用しながら妊娠するのはちょっと・・・みたいな話になり、いつの間にかもともとはてんかんがあるのかないのかすら話題にのぼらなくなり、担当の先生も変わっていき、いつの間にかその患者さんはその病院では「てんかん患者さん」になり・・・といったことがあるようです。わかります。ずっと昔の自分もそうだったかもしれませんから・・・。

もちろん、てんかんの診断が問診や脳波検査などを行っても困難なことはあります。ただその場合は困難なことを踏まえて「いまの時点ではてんかんとは診断できないが、てんかんを考えながら経過をみる、あるいは一定の期間だけの行動の制約をお願いする」というのが正しい姿勢ではないかと思います。

その間にできるだけ診断に近づく努力をするべきです。症状がある程度あるならビデオカメラで症状を撮影してもらえれば、てんかんを専門にしている医師なら見ればだいたいは分かります。専門にしていない先生であれば、症状と脳波所見を一緒に検討できる、長時間ビデオ脳波同時記録をお願いするためにてんかんセンターに紹介する方法もあるでしょう。「否定できない」ぐらいなら、診断しないほうがよいと思っています。これからもそうした立場から情報を発信していきたいと思います。

2014年10月29日水曜日

当院かいわい:青蓮寺・月江寺

当院の一つ南の通りを西へ、夕陽丘学園のほうへ歩いていきますと、まず右側に月江寺、次の角には青蓮寺があります。青蓮寺は浄瑠璃作者として有名な竹田出雲の墓所があることでも有名ですね。手前の月江寺にも三味線塚があったりと、このあたりには上方芸能に関する史跡も数多く残されています。残念ながらこの辺りのお寺は大阪大空襲の際に焼失したところも多く、もし空襲がなかったら、どのような光景が広がっていたのかなと空想をふくらませています。


2014年10月14日火曜日

増刷されました(てんかんが苦手な医師のための問診・治療ガイドブック)

先日発売されました「てんかんが苦手な医師のための問診・治療ガイドブック」ですが、ご好評をいただいており、第2刷に増刷されております。引き続きよろしくお願い申し上げます。

2014年10月6日月曜日

第48回日本てんかん学会学術集会

さる2014年10月2日から3日の2日間、第48回日本てんかん学会学術集会が東京京王プラザホテルにて開催されました。小出は3日朝のモーニングセミナーにて「成人の進行性ミオクローヌスてんかん」というテーマを主催者から頂戴し、講演を行いました。

進行性ミオクローヌスてんかんは、てんかん発作とミオクローヌスという手足が一瞬ぴくっと動くような不随意運動、運動失調(体のバランスが取れなくなったり、力はあるのに器用に使えなくなったりすること)、認知や知能の面での障害などを特徴とするてんかんです。この名前は大きな疾患のグループを示すもので、それぞれの症状の程度や経過などによって、さらにさまざまなタイプに分けられています。人種差があることも知られており、ウンベルリヒト・ルンドボルグ病というタイプのものはヨーロッパでは一般的ですが日本ではごくまれで、日本に多い歯状核赤核線条体ルイ体萎縮症はヨーロッパでは極めて珍しいタイプとされています。外来の初診患者さんの数が累計4万人に近づいている静岡てんかんセンターでも、進行性ミオクローヌスてんかんの患者さんはこれまでに疑いも含めても50人前後しかいないようです。

ただ患者さんはごく少ないのですが、きちんとこうした患者さんを見つけることで、その方の経過や治療への反応性などをある程度予想できるため、てんかんを診療する医師の知識としては非常に重要といえます。

私は静岡てんかん・神経医療センター在職中に10人前後の患者さんを診療させて頂きました。しかしなかなかこうした希少な疾患は医師も経験する機会が少なく、治療などの全体像を把握するのが難しくなっています。

今後は全国的にこうした患者さんの疾患についてのデータを登録し、治療の進歩につなげようとするシステムの構築が予定されています。治療に難渋されることも珍しくないこうした患者さんにとってよい治療などが見つかる第一歩になってほしいと願っています。

2014年9月30日火曜日

雑誌「薬局」に新規抗てんかん薬「ガバペン」の記事が掲載されました

南山堂から出版されている雑誌「薬局」に記事が掲載されました。新規抗てんかん薬「ガバペン」についてのメリット、デメリットを、とのことでしたので、書かせて頂きました。ガバペンはかつて全国の医療機関での大規模な市販後調査を行ったことがあり、効果や副作用について「てんかん研究」に論文として発表しています。眠気やふらつき以外の副作用が少ないのはこの薬の良いところですが、発作型によっては悪化のリスクなどもあり注意が必要です。薬剤師さんなどにぜひ手に取ってみて頂ければと思います。http://www.nanzando.com/journals/yakkyoku/916510.php

2014年9月17日水曜日

てんかんと失神

ずいぶん涼しくなりました。朝晩などは寒いと感じることもあります。みなさまも体調管理には十分お気を付けください。

最近、「意識がなくなった」ということでてんかんと診断され、通院していた方が相談に来られました。初めて意識をなくして以来、ずっとてんかんの薬を服用しているが、効果があるのかどうかわからないし、自分は本当にてんかんなのでしょうか?という御質問がありました。

てんかん全体でみると、60-70%の方は抗てんかん薬を服用していれば発作が起こらなくなると言われています。実際に薬を服用していても、何も起こらないことが治療効果であるために、薬の効果を実感するのが難しいことは事実です。この方もそういう方なのかなと最初は思いました。

しかし、よくお話をお伺いすると、「お風呂に入っていて、出ようとしたらちょっと立ちくらみみたいにくらっとしたので、ちょっと休んで、もう一回立ち上がって出ようとしたら意識がなくなって倒れた」とのことでした。さらに詳しく症状を聞くと、意識の消失時間はだいたい5-10秒、気がついたときには床に倒れていて、心臓がどきどきと激しく動悸を打っているのを感じたとおっしゃいます。また「もともと中学生ぐらいの頃は、長い時間立ってると倒れそうになることがあった」といったお話もありました。

こうしたお話は、てんかんによる意識障害よりも、起立性調節障害などによる失神の可能性を強く示唆する病歴です。脳波検査はこれまでも異常を指摘されたことがない、とのことでしたが、実際に異常はありませんでした。ないはずです。まず間違いなくてんかんではなく、失神だったのです。

よくてんかんは「倒れる」というイメージがありますが、いきなり倒れる発作だけしかない、というのはむしろ例外的です。またそうした発作の回数が少ない(あっても年単位)というのはてんかんよりも失神によくある病歴です。意識消失の時間が短いことは欠神発作などのてんかん発作でもあり得ますが、そうした発作では倒れることは少ないです。入浴後であるとか排尿後、飲酒後といった状況は失神が起こりやすい状況です。発作後に動悸や発汗が顕著にみられる、といった症状もてんかんよりも失神を強く示唆します。

てんかんは基本的に”症候群”と言われる、年齢や発作症状、原因、脳波検査結果などの集合体で診断がつくものです。そのどれか一つだけで、特に脳波検査結果だけで診断がつくようなものではありません。この患者さんの症状や病歴はてんかん症候群では矛盾するものになる、ということですね。

逆に失神の側から見ると、実は失神というのはよくけいれんを伴います。ある研究では90%の失神は何らかのけいれんを伴っていた、という話もあります(Lempert et,al. Syncope: A videometric analysis of 56 episodes of transient cerebral hypoxia Ann Neurol. 1994 Aug;36(2):233-7 )つまり「いきなり倒れて、けいれんしていました」という話だけでは、てんかんか失神かは判断できないということになります。

てんかんの診断で一番大切なのは問診です。これは何も恰好をつけているわけではなく、外来の、それも初診では問診しか診断のしようがないからです。脳波検査に異常がないてんかん、というのは珍しいことではありませんし、問診で診断がつくことはあっても、脳波検査のみで診断がつくことはありません。この点はあまりよく理解されていないのではないかと思います。

患者さんにはてんかんではない可能性が高いので、徐々に薬を減らして、中止を考えていきましょうと話しました。同じようなことはてんかんセンターでもよく経験しました。静岡てんかん・神経医療センターの患者さんについて調べてみたことがありますが、初診の2割弱はてんかんではない疾患がてんかんやてんかん疑いと診断されて受診に至っています。これはほとんどが問診の不足によるものや脳波の異常を見誤ったもの(異常がないものを異常と捉え、それがてんかんの診断根拠になった)によると考えられます。

私が問診をすると、脳波検査の前後にわたることもありますが、だいたい30分~
1時間ぐらいはかかります。もともとてんかんの診断に必要な問診というのはそうしたものなのですね。今後も問診の重要性などについては様々な場面で訴えていこうと思っています。

2014年8月29日金曜日

てんかんを公表している著名人⑧Wally Lewis(Rugby league player, 1959~)

てんかんの患者さんの病状の経過は、てんかんのタイプによって様々です。小児期に発症して、大人になれば自然に発作が起こらなくなる、”治ってしまう”てんかんもあれば、生涯にわたって治療が必要となる方がいます。てんかんの患者さんの6-7割程度は抗てんかん薬を服用することで発作が消失すると言われていますが、一方でなかなか薬物治療だけでは発作が止まらない方もいらっしゃいます。こうした場合、薬物治療以外の治療の可能性を検討していくことになります。その一つがてんかん外科手術です。てんかん外科手術はてんかん発作が起こる原因となっている脳の一部分を切除したり、脳の興奮が大きくなりにくくするように脳の一部をカットしたりする、といったことが行われます。もちろん後遺障害が残ることなどを避けるために、外科手術が可能かどうかを慎重に見極めるために検査を行います。てんかんのタイプによっては、発作を消失させることが高い確率で期待できます。当院ではもちろん外科手術は行っていませんが、手術が必要かどうか、あるいは可能かどうかを検討するために近隣、あるいは静岡などのてんかんセンターと連携して診療を行うことはよくあります

みなさん”ラグビー”というスポーツはおそらくご存じでしょうが、”ラグビーリーグ”というスポーツはいかがでしょう?人数がラグビーが15人であるのに対して、リーグは13人であったり、ラグビーでフォワードが組み合うスクラムがリーグにはほとんどなかったりと、ルールも少し違うのですが、ラグビー強国であるオーストラリアなどではむしろラグビーよりもラグビーリーグのほうが人気があったりします。Wally Lewis(1959~)はラグビーリーグの伝説的な名選手で、”The King”"Emperor of Lang Park"と称され、オーストラリア代表としても1981年~1991年までの10年間にわたって活躍しました。彼は引退後2006年のTV出演中に意識が曇る発作を生じ、2007年にてんかん外科手術を受けました。発作は消失し、以後は再びTVのスポーツコメンテーターとして活躍しています。現在はてんかんに対する啓発活動を他の患者さんと一緒に行っておられます。また娘さんに聴覚障害があることから、聴覚障害者団体の支援者としても活動されています。
(47秒のtackleは必見です)

2014年8月22日金曜日

当院の小出泰道医師の著書が発売されます

当院の小出泰道医師が執筆した著書が2014年8月発売されます。出版社にてご予約を承っておりますので、興味がおありの方はご購入ください。口語体の分かりやすい教科書ですので、医療関係者だけでなく、患者様方にも興味をお持ちいただけると思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
”てんかんが苦手”な医師のための問診・治療ガイドブック

2014年8月19日火曜日

当院かいわい:鳳林寺

夏季休診を終えまして、昨日より診療を再開しております。また受診のご相談等ありましたら、診療時間内にお電話を頂ければ幸いです。

 今回も前回に引き続き、お寺をご紹介します。鳳林寺は谷町筋を挟んで、当院の斜め向かい、六万体交差点の角にある曹洞宗のお寺です。1588年に創建され、大坂夏の陣の際には真田幸村に追われた徳川家康が寺院内に逃げ込んできたという話が残っているそうです。
 このお寺の南側に上島鬼貫の墓所があることを示す石碑が立っています。私は不勉強で、名前から名のある武将かだれかだと思っていたのですが、江戸時代の俳人で、「東の芭蕉、西の鬼貫」と称された方だったそうです。
 毎日暑いですが、
「冬は又夏がましじやと言ひにけり」
と言われると、季節の不平は昔も今も同じなのかもしれないと思わされます(笑)


2014年8月6日水曜日

てんかんを公表している著名人⑦Martin Kemp(Bassist, 1961~)

てんかんにはけいれんを起こしやすくなるような体質を持っていると考えられる場合や、けいれんという脳の一時的な機能の異常を来すような傷などが原因になるものなど、原因は様々です。中には頭部の外傷や脳炎・髄膜炎・腫瘍などをきっかけにてんかんを発症される方もいます。これらの場合、原因となる病状の重症度や脳の中での病変の位置などによって症状や経過も様々異なります。

80年代の洋楽がお好きな方であれば、Spandau Balletというイギリスのバンドを覚えておられないでしょうか?1983年のアルバム”True”はタイトルソングの”True”が全英1位、全米4位になるなど大ヒットしました。残念ながら以後のアルバムはそれほどヒットせず、偉大な一発屋として時々日本のTVにも取り上げられることがあります。ベーシストのMartin Kemp(1961~)はその後は主に俳優としてイギリスで活動を続けていますが、1990年に脳腫瘍を原因とするてんかんを発病しました。治療経過は良好で、現在もイギリスで地道に映画などの仕事をしています。てんかん発病後は脳炎関連の学会の支援なども行っておられます。

2014年8月2日土曜日

セミ

今日は少し雨が降っています。日差しはありませんが、湿度の高さが肌で感じられます。夜も寝苦しいですね。睡眠不足はてんかん発作の大敵です。よい睡眠環境を確保しましょう。

診療所の庭の木もセミがいっぱいです。大阪市内では日中はもうほとんどクマゼミしかみることができません。大阪ももう少し緑が多いといいのですが。

今日は午後からてんかん学会の近畿地方会があります。

2014年7月28日月曜日

当院かいわい:吉祥寺

本日は暑さが少し和らいでくれていますね。
当院の住所は大阪市天王寺区生玉寺町3-5です。地名の由来としては近くに生玉神社があり、お近くの方はよくご存じかと思いますが、昔からお寺の多いところです。病院の周辺を散策すると(この時期はお勧めできませんが)、色々と史跡や名所などがありますが、なかには地元の人も知らない、大阪の風景をみつけることができます。今後は少しづつご紹介したいと思います。

まずこちらは当院と谷町筋を挟んで反対側にあるお寺、吉祥寺です。寛永7年(1630年)創建の曹洞宗の禅寺です。黒と白と特徴的な壁のデザインにお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。ここは赤穂浪士の討ち入りで有名な赤穂藩浅野家の大阪の菩提寺です。白黒のデザインは四十七士の討ち入り装束のデザインなんですね。境内には四十七士のお墓や石像などがあります。東京で言えば泉岳寺のような場所になると思うのですが、それほど知られてはいないように思います。毎年12月には大阪義士祭なども行われています。拝観料などはありませんので、受診の際に訪れてみてはいかがでしょうか。


 


 

2014年7月23日水曜日

夏季休診のお知らせ

小出内科神経科では例年通り、夏季休診を実施いたします。日程は8月11日(月)~8月16日(土)になります。ご相談の方は日程をご検討下されば幸いです。よろしくお願い申し上げます。

2014年7月15日火曜日

てんかんを公表している著名人⑥Prince(Musician, 1958~)

小児の外来で比較的よくあるのが、小児期にだけてんかん発作が起こるものの、年齢が上がるにつれて発作が自然に起こらなくなり、治療をしていたとしても中止可能で、成人になってからは全く発作がない、いわゆる”治癒”することがあるてんかんです。これらは経過が良好であることから、”良性てんかん症候群”と言われることもあります。ただ、こうした患者さんが、今は全く発作もないにもかかわらず、「小さい頃にてんかんがあったと聞いたら不安になって・・・・」とおっしゃって、成人のてんかん外来にいらっしゃることもあります。もちろん何の治療も必要ありませんし、きちんと説明すれば安心してお帰りになるのですが、”てんかん”という病名だけで不安を感じるということがよくわかります。基本的には病名ではなく、病状が大切です。

小児期にだけてんかんがあったことを告白しているのはmusicianのPrince(1958~)です。Wikipediaによりますと、これまでに全世界で1億2000万枚以上のアルバムを売り上げており、おそらく多くの方がご存じのことと思います。”Sacrifice of Victor”という曲では、7歳でてんかんがあった自らのことを唄っています。学校ではてんかん発作のためいじめやからかいの対象になったものの、やがて周囲に自らの才能を認めさせていきます。こうしたかつて発作があった、今はない、という方がいることが周知されるようになれば、てんかんは一つの病名が一つの経過や予後を示すわけではなく、様々な病状の人がいるということがもっと知られるようになると思います。http://www.people.com/people/article/0,,20275184,00.html

2014年7月7日月曜日

てんかんを公表している著名人⑤Buddy Bell(Baseball player,1951~)

てんかんを公表している著名人⑤

外来で、”発作が起こるとみんなに迷惑をかけるから・・・・”と、大好きなフットサルに行けなくなってしまっている中学生のお子さんにお会いしました。実際に発作が起こると周囲の方が心配することは無理もありませんが、これは患者さんにとって、特に多感な時期のお子さんにはつらく感じられることもあるものです。私は元気のない彼にあまり大したことは言えなかったのですが、発作が止まるように最大限の努力をすることを約束し、Buddy Bellのように、てんかん発作を持ちながらでもスポーツの世界で活躍している人がいることを話しました。

Buddy Bell(1951~)は1972年にメジャーリーグにデビューして以来、レンジャーズやレッズで3塁手として活躍し、ゴールドグラブ賞6回、オールスターにも5回出場。引退後もタイガースやロイヤルズの監督などを歴任し、現在はホワイトソックスの選手育成部門で活躍されています。彼は22歳の時にてんかんを発症し、18年間のプロ生活でも何度か発作が起こったことから、試合に出られないこともあったといいます。
「ある日、ニューヨークで朝シャワーを浴びていて、気が付いたらバスタブの中にいたんだ。明らかにその日は試合できる状態じゃなかった」

彼は球場内外での優れた精神や人柄が評価され、1988年にルー・ゲーリック賞(人格者として知られ、ALSでこの世を去ったルー・ゲーリックにちなむ)を受賞しています。現在もてんかんの患者さんを援助する活動を熱心に行っていますが、その一つとして、1人の少女のてんかん診療をつうじて患者さんを支援する活動にも名を連ねています。他のメジャーリーガーと一緒に、オークションを開いたり(フェリックス・ヘルナンデスに個人的にピッチングを教えてもらう権とか!)する取り組みは 大変興味深いものです。http://s4epilepsywalk.com/

2014年7月4日金曜日

夏の暑さと抗てんかん薬

暑い日が続きますね。皆様お変わりありませんでしょうか?
 先日、「最近、うちの子は熱が出やすくて・・・・」というお母さんがいらっしゃいました。お子さんはてんかんがあるのですが、この夏の時期は朝の体温がいつも37台後半、風邪でも引くと40度以上にまで熱が上がる、ということでした。お薬の中身を見せて頂いたところ、トピナ、というお薬を服用されていました。このお薬は汗をかきにくくなる、という副作用が(エクセグランなど、他の薬でも)みられることがあります。多くの方は問題ありませんが、この方の場合はそのために熱がこもりやすくなっているのだろうと思われました。お母さんと相談し、このお薬を可能であればゆっくり減量していくことになりました。

この時期には同じような方に時々お会いします。体調面で気になることがあれば何でもご相談ください。

2014年6月23日月曜日

てんかんを公表している著名人④ Adam Horovitz(King Ad-rock , Beastie Boys 1966~)

全世界でいままでに2000万枚以上のアルバムを売り上げているアーティストで、Hip-Hopが好きな方なら絶対に知っているであろう、Beastie BoysのギタリストにしてラッパーのAdam Horovitzもてんかんを持つ方の一人です。

もともとはプライベートを明らかにしない主義であったためてんかんがあることも知られていませんでした。しかしある日の撮影で光刺激を受けた際に全身けいれんを起こしたことでそれを明らかにするようになりました。 現在は治療でずっと良い状態が続いているようです。添付した”Intergalactic”が入っているアルバム”Hello Nasty”で彼らは第41回グラミー賞(最優秀オルタナティヴ・ミュージック・パフォーマンス賞)を受賞しています。

よく”まぶしい光は良くないんですよね?”と患者さんからもご質問を受けることがありますが、そうした方はてんかんのごく一部にしか過ぎませんので、全員に光刺激が問題になるわけではありません。俗に”ポケモン事件”と言われる、TVの前でけいれんを起こしたお子さんも、その後ほとんどの方は発作を起こすことがなかった(いわゆるてんかんではなかった)ことが分かっています。光に過敏な体質だけをお子さんの時に持っている方も一定の数でいる、ということですね。

2014年6月20日金曜日

紫陽花

今日は風が吹いていたので割合過ごしやすいと患者さんがおっしゃっていました。院内にいると日中の外の様子が分からないので外に出てみたところ、まだクリニックの庭には紫陽花が綺麗に残っていました。この週末、やっと梅雨らしくなってくるみたいですね。

2014年6月16日月曜日

てんかんを公表している著名人③ Danny Glover (Actor,1946~)

昔の映画なら「リーサル・ウェポン」でメル・ギブソンとの共演が、もっと最近の映画なら「ソウ」での怪演などが個人的には印象深い俳優さんです。15歳で発症した耳鳴りが先行するてんかん発作が、治療を続ける中で30台後半には消失し、現在は治療を受けておられないようです。彼は述べます「てんかんを持つ人たちに、病と闘うなかで、それぞれの役割が色々とあることを知ってほしい。あなたが経験したことを誰かと分かち合えば、人々はあなたを抱きしめようとするだろう」
http://www.epilepsy.ie/index.cfm/spKey/news.epilepsy/spId/227130C6-A964-1E4D-11C858EE8C148D4F.html