2014年8月29日金曜日

てんかんを公表している著名人⑧Wally Lewis(Rugby league player, 1959~)

てんかんの患者さんの病状の経過は、てんかんのタイプによって様々です。小児期に発症して、大人になれば自然に発作が起こらなくなる、”治ってしまう”てんかんもあれば、生涯にわたって治療が必要となる方がいます。てんかんの患者さんの6-7割程度は抗てんかん薬を服用することで発作が消失すると言われていますが、一方でなかなか薬物治療だけでは発作が止まらない方もいらっしゃいます。こうした場合、薬物治療以外の治療の可能性を検討していくことになります。その一つがてんかん外科手術です。てんかん外科手術はてんかん発作が起こる原因となっている脳の一部分を切除したり、脳の興奮が大きくなりにくくするように脳の一部をカットしたりする、といったことが行われます。もちろん後遺障害が残ることなどを避けるために、外科手術が可能かどうかを慎重に見極めるために検査を行います。てんかんのタイプによっては、発作を消失させることが高い確率で期待できます。当院ではもちろん外科手術は行っていませんが、手術が必要かどうか、あるいは可能かどうかを検討するために近隣、あるいは静岡などのてんかんセンターと連携して診療を行うことはよくあります

みなさん”ラグビー”というスポーツはおそらくご存じでしょうが、”ラグビーリーグ”というスポーツはいかがでしょう?人数がラグビーが15人であるのに対して、リーグは13人であったり、ラグビーでフォワードが組み合うスクラムがリーグにはほとんどなかったりと、ルールも少し違うのですが、ラグビー強国であるオーストラリアなどではむしろラグビーよりもラグビーリーグのほうが人気があったりします。Wally Lewis(1959~)はラグビーリーグの伝説的な名選手で、”The King”"Emperor of Lang Park"と称され、オーストラリア代表としても1981年~1991年までの10年間にわたって活躍しました。彼は引退後2006年のTV出演中に意識が曇る発作を生じ、2007年にてんかん外科手術を受けました。発作は消失し、以後は再びTVのスポーツコメンテーターとして活躍しています。現在はてんかんに対する啓発活動を他の患者さんと一緒に行っておられます。また娘さんに聴覚障害があることから、聴覚障害者団体の支援者としても活動されています。
(47秒のtackleは必見です)

2014年8月22日金曜日

当院の小出泰道医師の著書が発売されます

当院の小出泰道医師が執筆した著書が2014年8月発売されます。出版社にてご予約を承っておりますので、興味がおありの方はご購入ください。口語体の分かりやすい教科書ですので、医療関係者だけでなく、患者様方にも興味をお持ちいただけると思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
”てんかんが苦手”な医師のための問診・治療ガイドブック

2014年8月19日火曜日

当院かいわい:鳳林寺

夏季休診を終えまして、昨日より診療を再開しております。また受診のご相談等ありましたら、診療時間内にお電話を頂ければ幸いです。

 今回も前回に引き続き、お寺をご紹介します。鳳林寺は谷町筋を挟んで、当院の斜め向かい、六万体交差点の角にある曹洞宗のお寺です。1588年に創建され、大坂夏の陣の際には真田幸村に追われた徳川家康が寺院内に逃げ込んできたという話が残っているそうです。
 このお寺の南側に上島鬼貫の墓所があることを示す石碑が立っています。私は不勉強で、名前から名のある武将かだれかだと思っていたのですが、江戸時代の俳人で、「東の芭蕉、西の鬼貫」と称された方だったそうです。
 毎日暑いですが、
「冬は又夏がましじやと言ひにけり」
と言われると、季節の不平は昔も今も同じなのかもしれないと思わされます(笑)


2014年8月6日水曜日

てんかんを公表している著名人⑦Martin Kemp(Bassist, 1961~)

てんかんにはけいれんを起こしやすくなるような体質を持っていると考えられる場合や、けいれんという脳の一時的な機能の異常を来すような傷などが原因になるものなど、原因は様々です。中には頭部の外傷や脳炎・髄膜炎・腫瘍などをきっかけにてんかんを発症される方もいます。これらの場合、原因となる病状の重症度や脳の中での病変の位置などによって症状や経過も様々異なります。

80年代の洋楽がお好きな方であれば、Spandau Balletというイギリスのバンドを覚えておられないでしょうか?1983年のアルバム”True”はタイトルソングの”True”が全英1位、全米4位になるなど大ヒットしました。残念ながら以後のアルバムはそれほどヒットせず、偉大な一発屋として時々日本のTVにも取り上げられることがあります。ベーシストのMartin Kemp(1961~)はその後は主に俳優としてイギリスで活動を続けていますが、1990年に脳腫瘍を原因とするてんかんを発病しました。治療経過は良好で、現在もイギリスで地道に映画などの仕事をしています。てんかん発病後は脳炎関連の学会の支援なども行っておられます。

2014年8月2日土曜日

セミ

今日は少し雨が降っています。日差しはありませんが、湿度の高さが肌で感じられます。夜も寝苦しいですね。睡眠不足はてんかん発作の大敵です。よい睡眠環境を確保しましょう。

診療所の庭の木もセミがいっぱいです。大阪市内では日中はもうほとんどクマゼミしかみることができません。大阪ももう少し緑が多いといいのですが。

今日は午後からてんかん学会の近畿地方会があります。