2021年12月28日火曜日

今年もありがとうございました。

 

本日が2021年の最終診察日でした。遠方の方で大雪のため受診できない方など、いろいろと大変な年末でしたが、診療を終えることができました。

今年は新型コロナウイルス感染症の流行や抗てんかん薬の供給問題など、様々な問題がありましたが、スタッフとともに対応を考え、何とかやってきた1年でした。患者さん方にもいろいろとご協力いただきましたことに心から感謝を申し上げます。

新年の診察は1月5日からとなっております。皆様良い年をお迎えください。


2021年12月1日水曜日

テグレトールの供給問題

当院通院中の皆様へ

 毎回、このようなお知らせばかりになることが大変つらいですが、テグレトール錠の供給が現在全国的にひっ迫しており、当院もその例外ではなくなりました。当院通院中の患者さんの多くは近隣の薬局をご利用いただいておりますが、そちらの在庫も十分には確保できない状況になってきています(もともと当院からの処方箋を受けて数千~数万錠の単位で仕入れを行っていたものが、現在は100錠単位でしか入荷しない、といった状況になっているようです)

このような状況を受けまして、11月から、テグレトールを処方している患者さんには大変申し訳ありませんが、皆さんに薬が行きわたるように、処方期間を1カ月させて頂いております。これまでに多数の患者さんにご協力をいただいたことにも心から感謝申し上げます。

てんかん協会など関連団体からも厚生労働省に薬剤の安定供給についての要望書が提出されるなど働きかけが行われております。来年春ごろにはこの状況は徐々に改善されるのではないか、という見通しもあるようですが、早期にこの状況が解消されることを願うばかりです。

関連の方には大変申し訳ありませんが、今後ともご協力のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。



2021年10月15日金曜日

プリミドンの供給停止

 先日からお伝えしておりますように、ジェネリック医薬品メーカーの製造過程問題に端を発した医薬品供給の問題が続いております。プリミドン®は日医工のみが現在は生産している抗てんかん薬で、供給が危ぶまれていましたが、ついに錠剤を確保することが困難になったと薬局から連絡がありました。生産の再開は来年4月頃になる予定だそうで、それまでは細粒製剤で対応するか、他の薬剤への変更が必要になると思われます。

当院通院中の方にも数名、同薬を服用されている方がおられます。受診前に可能な方は連絡を薬局からしていただけるようですが、状況をご理解のうえご来院ください。どうぞよろしくお願いいたします。患者さんのためにも早くこのような状況が解消されることを願うばかりです。




2021年10月5日火曜日

バルプロ酸(デパケン、セレニカetc.)の供給について

 先日から製薬ジェネリックメーカーの製造過程での品質管理が問題となり、薬の供給が滞っていることはニュースとなっていましたが、ここにきてバルプロ酸の供給が完全に止まっています。メーカーへの審査が厳しくなり、薬が市場に出るのに時間がかかるようになったことから、先発品メーカーの薬の需要が増加し、メーカーが対応できない状況になった、ということです。あまりに突然のことで、各薬局も対応ができていないようです。当院から最も処方がたくさんされている薬局は比較的備蓄がありますが、それでもこのままだと来週ぐらいには厳しい状況を迎えることになりそうです。今日も他府県の薬局に一切バルプロ酸がない、ということで当院隣の薬局に薬をお願いした方もおられました。

明日以降、受診される患者さんんでバルプロ酸を服用されている方は、お持ち帰りいただける日数を少し普段より少なくするなど、皆さんに薬が行きわたるようにご協力をお願いしなければならない可能性があります。なにとぞご理解をどうぞよろしくお願い申し上げます。

2021年10月4日月曜日

インフルエンザワクチンの予約について

 急に朝夕が涼しくなり、過ごしやすくなる一方で、体調の変化を感じやすい時期でもありますね。寝冷えなどには十分お気を付けください。

今年もインフルエンザワクチンの接種の予定が決まりました。

開始日:10月18日(月)

ご希望の方はご予約をお電話でお願いいたします。なお、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種とは2週間の間隔を開けること、ということになっておりますので、その点にご留意いただき、予約の日程をご検討ください。どうぞよろしくお願いいたします。また、今シーズンのワクチンの流通はやや例年に比べて少な目になるようですので、確保できている接種が終了次第、当院での接種は終了させていただくことになると思います。こちらも合わせてご了承ください。

2021年8月18日水曜日

新型コロナウイルスワクチンの接種状況について

 大雨のさなか、今日の大阪はとても蒸し暑くなりました。ただセミの鳴き声もクマゼミのけたたましいものが減り、残ったアブラゼミの声が中心となっており、夏の盛りを過ぎたことを感じさせてくれます。

新型コロナウイルスワクチンの接種ですが、最近は最低1回は接種しておられる方が多数となってきました。統計は取っていませんが7割以上の方が1回、あるいは2回のワクチン接種を済ませておられるものかと思います。いずれにしても接種が進んでいることは実感します。ただ、残念ながらワクチンが間に合わず、新型コロナウイルス感染症が重症化して入院し、その後、肺の状態が改善しないことから酸素吸入が自宅でも必要になっている方はおられます。もう少しワクチン接種が早く進んでいれば、現在の大変な流行状況を軽減できた可能性もあると思いますが・・・

過去の投稿にもありますように、てんかんの方が接種を控える特段の理由はありません。問診表にてんかんやけいれんの有無を問われる項目がありますが、ほとんどのてんかんの患者さんにとってはほとんど意味のない項目になりますので、「あり」と記載していただいたうえで問題なく接種していただけます。

すでに当院のてんかんの患者さんでワクチンを接種した数百人の方から(発熱や倦怠感、接種部位の腫れなどの一般的な副反応はもちろん一般の方と同様にみられ得ますが)特段問題となる状況はおうかがいしておりません。

早くこの流行の拡大がワクチン接種やきちんとエビデンスに基づいた治療によって軽減していくことを願っております。当院でも地道に感染防御策を続けていきたいと思います。

また話はワクチンからそれますが、豪雨被害に遭われた方々の状況が少しでも早く改善することを願っております。てんかんの患者さんがおられて、何かてんかんに関してお困りのことがありましたら、静岡てんかん・神経医療センターのてんかんホットラインにご連絡ください。てんかんに関してよろずの相談に乗っていただけます。

てんかんホットライン(静岡てんかん・神経医療センター)

https://shizuokamind.hosp.go.jp/contact-address/

2021年8月6日金曜日

夏季休暇について

 暑い日が続きます。皆様体調にはお気を付けください。

当院は8月9日~14日まで夏季休診となります。ご相談がおありの方は期間以外の時期にご連絡をいただければ幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2021年4月26日月曜日

緊急事態宣言を受けて

 4月25日より大阪にも緊急事態宣言が発令されました。当院通院中の患者さん方からもコロナウイルス感染症に罹患した、というご報告をいただくようになっており、明らかに感染者数が増えていることをひしひしと感じます。

来院される際には体温など、体調に気を付けていただいたうえでご来院ください。院内も引き続き換気や消毒に気を付け、できるだけ院内滞在時間を減らしていただけるように努力したいと思いますので、ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ワクチン接種が早くいきわたり、感染の拡大が抑制されやすくなることを願うばかりですが、皆様におかれましても、今一度減らすことができる外出頻度を減らすなどのご対応をご検討ください。当院受診につきましても、特に他府県から来院される方など、移動に不安を感じる方はどうぞ遠慮なくお電話でお申し出ください。対応させていただきます。

2021年4月7日水曜日

接種の体験談も含め、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種について(第2報)

 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種、外来でのご質問で最近は最もよくあるものになってきました。関心が高いのは当然ですね。

私自身、外勤先がコロナウイルス感染症を診療しておられる関係で、3月11日、4月1日の2回、ファイザー社製のワクチン(コミナティ筋注)を先行接種させていただきました。

結論から言いますと、2回とも接種部位の肩の痛みがあった程度で、全く問題はありませんでした(2回目は接種したこと自体も意識しておらず、接種2日後に何も考えずに自宅でビールを飲んだところ、痛みが生じて接種したことを思い出した、というものです。お恥ずかしい限りです)同僚の先生方にも発熱や倦怠感を認めた方はいたようですが、今のところ重篤な問題はないようです。

米国疾病対策センターからは、ワクチン接種が済んだ人同士であれば屋内で普通に集合しても問題はなく、コロナウイルス感染症の濃厚接触者となっても症状が現れない限り検査を受ける必要はない、という指針が示されていますが、現時点でマスクや距離をとることについては継続する必要があるとも書かれていますので、診療場面では変わりなく、できるだけ院内が混雑しないような対応をとらせていただきたいと思います。

てんかんをお持ちの方でこの間に新しい情報としては、3月18日に厚生労働省から、自立支援医療で重度かつ継続と判断されている方(てんかんはこの区分に皆さん該当します)は基礎疾患として優先接種を検討するという文言が発表されています。てんかんの方が今のところコロナウイルス感染症が重症化しやすい、という明確なデータはないと思いますが、諸外国の取り組みを参考にしているようです。精神神経学会から要望が出されたことも理由かと思います。他精神保健福祉手帳や療育手帳をお持ちの方も対象にする形で検討されているようです。

参考:新型コロナウイルスワクチンの接種順位等について(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000755192.pdf

こちらにも書かれていますようにこれはあくまでも現時点での検討ですので、引き続き厚生労働省などからの情報発信にご留意頂きますようにお願い申し上げます。

2021年2月19日金曜日

新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種について

 最近になり「コロナのワクチンって打っていいんですか?」「基礎疾患にてんかんは入ってる?」といったご質問を時々お受けするようになりましたので、今お話ししていることを記載させていただきます。


①「コロナのワクチンって打っていい?」

まず、てんかんの方が一般的に予防接種を避けるべきであるという事実はない、ということが前提としてあります。これまでもたくさんのウイルス感染症に対するワクチンが使用されていますが、ほとんどのてんかんの患者さんはワクチンを接種しても、一般の方が経験する可能性がある副反応以上のことは起こりません。

今回のコロナウイルスに対するワクチンについてはまだよくわからないことがあるのは事実ですが、今の段階で接種者に過去のワクチン接種でみられなかったような副反応がある、という話はありません。

ワクチンの接種は感染の予防や重症化の予防といったメリットと副反応のデメリットを考慮する必要があるのはコロナウイルスワクチンも同じことですが、一般の方にとって現時点では接種のメリットがデメリットを明らかに上回るのではないかと考えられます(私も順番が回ってくればすぐ接種する予定です)

ですので現時点でのスタンスとしては、デメリットがある可能性があるが、一般の方に比べててんかんをお持ちの方でそれが特段高くなるという証拠はなく、多くの人にとっては感染予防という効果がもたらされる可能性があります。

②「基礎疾患にてんかんは入っているか?」

単にてんかん、というだけでは基礎疾患にはならないと考えていただいて結構です。それは逆に一般の方に比べて重症化のリスクが高いとはみなされていない、という意味では良いことでもあります。

一方で小児のてんかんで重度の方(日単位の発作、発作に重積しやすい傾向があるなど)てんかんに合併症がある方(脳性まひ、染色体異常など)などは基礎疾患ありと判断されています。

詳しくは

「厚生労働省. 新型インフルエンザワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の基準」https://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/02/dl/s0212-6v_0002.pdf

をご参照ください。

以前にもTwitterではご紹介しておりますが、新型コロナウイルス感染症とてんかんについては国際抗てんかん連盟からも情報が発信されていますので、併せてご参照ください。

よくある質問(てんかんの方とそのご家族向け)

https://www.ilae.org/patient-care/covid-19-and-epilepsy/for-patients/faqs-in-japanese1