2018年11月9日金曜日

てんかんの移行期医療座談会の内容が掲載されました

9月1日に移行期医療についての座談会に参加させていただきました。その内容がQlifeに掲載されています。

これは突然このような企画が持ち上がったわけではなく、以前からずっと小児から成人への移行期医療について顔の見える関係を作って話し合う「Transitional Case Meeting in Epilepsy」という集まりを数年前から持っていたのですが、その関係者が集まって、これまで話し合ってきたことを皆さんと共有する、といった内容になります。

当院にも小児科から紹介される患者さんは数多くおられますが、小児には小児の、成人には成人の悩みや病状があります。てんかんの病態も違うことがありますし、小児なら学校、成人は就労などが診療で話題になります。利用できる医療福祉制度も違います。「こどもは小さな大人ではない」というのは医療の世界ではよく言われることですが、様々な違いを持つ小児期の医療と成人の医療をうまく橋渡しするような存在になれればいいなと思っております。

そのためにも小児と成人のてんかんどちらについても知識を深める必要があるのですが、日本の神経診療全体にそうした視点が欠けているように思います。神経内科医や精神科医、脳外科医は小児神経科を研修する機会は普通ありません。小児神経科も同様です。そのため皆脳神経を専門にしているにもかかわらず、お互いの分野についての知識が不足しています。てんかんはこの知識を統合する必要がある疾患です。てんかんは小児期に発症することも多く、そうでなくても小児期に発症するてんかんが成人になって見つかることもあります。重症例は小児期に見つかるような疾患でも軽症であれば見逃されていて、成人になって初めて問題を生じてくることもあります。成人を担当する科の医師であっても、小児の知識はどうしても必要なのです(私は老年内科しかしないから関係ない、という先生もおられるとは思いますが・・・・)

現在の研修システムのどこかに、神経系を志す医師が互いの知識を共有できるような、そういう時間が作られるべきなのだろうと思いますね。



http://www.qlifepro.com/special/2018/11/08/transitional-medical-treatment-of-epilepsy-diagnosis/?fbclid=IwAR0vbuC-GRxj-OS2ZFyVNP0dsQnNskFnzMaz0DhRyQFPxxdPme5UEdE00PQ

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