2015年3月11日水曜日

東日本大震災の経験

東日本大震災の日から、つい先ほど4年が経過しました。

4年前のあの日は病棟で患者さんの気管切開のチューブをを交換するような処置をしていたと思います。突然の大きな揺れ、すわ東南海地震がやってきたのか、と静岡に在住する人間としてはまずそれが頭に浮かびました。しかしそれが東北地方を中心にした大地震であることがわかり、次いで押し寄せる津波の映像に胸が苦しくなったことを思いだします。

3月16日に静岡を出発し、岩手県山田町を中心とした沿岸部で支援活動をしました。主にはてんかんの患者さんに薬を届ける、という他の支援者があまりしていない活動に力を入れましたが、通常の内科診療もしました。親御さんを亡くされたばかりのお子さんの姿には涙が溢れました。一方で抗てんかん薬が切れかかっていて、少しの薬を飲みつないでどうにかひどい発作を起こすことなく避難所でがんばっていたお子さんの親御さんは、薬をお渡しすると涙を流して喜んでおられ、この人のためだけにでも来てよかった、と心から思いました。地元の方々はひどい状況の中でも、手を取り合って頑張っておられました。

あれから4年、このような災害は二度と起こってほしくはありませんが、震災で知り合った東北地方の先生方と一緒に仕事をさせて頂くなど、貴重な経験もたくさんさせて頂きました。人知を超えたこのような災厄は今後も必ず起こります。我々はこの経験を無駄にすることなく、日ごろからの備えを今一度思い起こす日にしましょう。

患者さんにおかれましては、薬の備蓄を十分すること、保管は取り出しやすいところに分散しておくこと、薬の内容は常に薬手帳などに新しい情報を更新しておくこと、緊急時の自分の治療に関する連絡先の確認などを怠らないようにしましょう。

参考:てんかん 災害支援ネットワーク

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