このように、てんかんにはまだまだ社会的なstigmaが根強く存在していることを感じさせるエピソードでした。
本来はてんかんがある、ということが問題なのではなく、病状が問題なのです。さすがに毎日全身けいれん発作を起こしている(そんな人はほとんどいませんが)となると、確かに様々な社会活動に制限が生じうると思います。一方で、何年も発作がない、といった場合には、たとえば2年の無発作期間があれば運転免許の取得も道路交通法で保障されているわけです。これには2年も発作がない方が事故を起こす確率は、一般のドライバーと極端に違わない、という科学的な根拠があります。このように、発作がない、あるいは非常に少ない方の社会生活に過度の制限をかけるのは公平性の面からあきらかに不適切です。
今回ご紹介するのは、アイスホッケーアメリカ代表として活躍したChanda Gunnです。彼女は9歳の時に若年欠神てんかんといわれるタイプのてんかんを発病し、治療を行っています。幼少期にアイスホッケーの才能を開花させた彼女は推薦を受け大学に進学します。しかし残念ながらそこで全身けいれん(強直間代発作)が何度も起きてしまい、治療のため大学生活を一時中断せざるを得ませんでした。しかし発作がコントロールされたのち、彼女は他の大学に転入し、そこでアイスホッケーに打ち込んだのです。
彼女は懸命に練習し、てんかんがなんら自分のプレーに影響がないことをコーチに証明してみせました。そしてアメリカ代表に選出され、2004年の世界選手権での金メダル、2006年の冬季オリンピックでの銅メダルに貢献しています。
現在彼女はてんかんについて、特にアスリートとしててんかんと闘う人として「てんかんが理由で夢をあきらめないでほしい」というメッセージを伝え続けています。
参考:
0 件のコメント:
コメントを投稿