2014年7月15日火曜日

てんかんを公表している著名人⑥Prince(Musician, 1958~)

小児の外来で比較的よくあるのが、小児期にだけてんかん発作が起こるものの、年齢が上がるにつれて発作が自然に起こらなくなり、治療をしていたとしても中止可能で、成人になってからは全く発作がない、いわゆる”治癒”することがあるてんかんです。これらは経過が良好であることから、”良性てんかん症候群”と言われることもあります。ただ、こうした患者さんが、今は全く発作もないにもかかわらず、「小さい頃にてんかんがあったと聞いたら不安になって・・・・」とおっしゃって、成人のてんかん外来にいらっしゃることもあります。もちろん何の治療も必要ありませんし、きちんと説明すれば安心してお帰りになるのですが、”てんかん”という病名だけで不安を感じるということがよくわかります。基本的には病名ではなく、病状が大切です。

小児期にだけてんかんがあったことを告白しているのはmusicianのPrince(1958~)です。Wikipediaによりますと、これまでに全世界で1億2000万枚以上のアルバムを売り上げており、おそらく多くの方がご存じのことと思います。”Sacrifice of Victor”という曲では、7歳でてんかんがあった自らのことを唄っています。学校ではてんかん発作のためいじめやからかいの対象になったものの、やがて周囲に自らの才能を認めさせていきます。こうしたかつて発作があった、今はない、という方がいることが周知されるようになれば、てんかんは一つの病名が一つの経過や予後を示すわけではなく、様々な病状の人がいるということがもっと知られるようになると思います。http://www.people.com/people/article/0,,20275184,00.html

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