2023年2月16日木曜日

てんかん専門クリニックの移行期医療

 最近依頼のあった講演で、クリニックへの受診の経緯について調べてみました。診療の開始当初の2014年からてんかん外来の新患さんが500名になった段階では、最も多い紹介元は脳神経内科が30%台、次が小児科でやはり30%台、次いで脳神経外科、精神科となっていました。それがここ最近の200名で見ますと、約半数は小児科からのご紹介となっています。

もちろん中には小児の患者さんもおられるのですが、ほとんどは年齢を重ねて成人の診療化への移行が必要になった例、いわゆる移行期医療の対象となった方になります。当院がてんかん専門クリニックであり、てんかん専門外来で移行期の患者さんを受け入れていることが小児科の先生に伝わってきている結果だと思います。

成人になると小児とはまた異なる治療、利用する制度、社会参加のありかたが存在します。そのあたりを移行期を迎えた患者さんをお持ちの小児科の先生におかれましては、早めに大人になるとどういうことが待っているのかを、親御さんではなく、ご本人にしっかりお伝えいただければと思います。それによって、患者さん自身がてんかんについて正しい知識を持ち、適切な将来像を描けることになると思います。できるだけよい状態を目指すことによって、社会参画への支障を減らしていくこと、今後も当院はそれをお手伝いしたいと思います。




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